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『バルサ対マンU 「世界最高の一戦」を読み解く』 杉山茂樹 of 新書ブックセンター - 新書専門のレビューサイト -

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著者
杉山茂樹
初版発行
2010年3月20日
ISBN
978-4-334-03557-0
定価
820円(本体)


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概要&レビュー

1995年のボスマン判決以来、欧州のサッカークラブは比較的選手を集めやすくなりました(もちろん資金力があるところが優位に集めやすいのですが)。そのため欧州の各リーグには大物選手が各国から集まっており、特に上位のチームはその莫大な資金力によって、その時の最高のチームを作ろうと躍起になります。当然こういったチーム作りは資金力によりますので、資金力のあるクラブとそうでないクラブとでは自ずと差が出てしまい、下位が上位を喰うような番狂わせは起きにくくなっていると言われています。しかし、やはり世界各国の優秀な選手が集まっており、かつ日頃から密に連携を取り合っているために、まとまった練習時間が取れない各国の代表チームよりも戦術が行き届く環境にあるため、サッカーの内容もより高度なものになるとも言われています。そういった背景から、現在欧州の各チームが競い合うCL(チャンピオンズ・リーグ)は、ワールドカップよりも価値が高いと言います。
本書は、その世界最高峰のリーグ戦であるCLに焦点を当てたもので、特に2009年5月27日に行われたバルセロナ対マンチェスターユナイテッドの一戦を軸に、CLの歴史やシステムのお話し、2009年FIFAワールドカップに向けての日本への提言などを扱っています。著者の杉山氏の観方には、著者自身のサッカー観が繁栄されすぎるという批判もありますが、そういったマニアな人にしかわからないことは置いておくとして、本書はサッカー観戦のおもしろさを伝える好著であることは間違いありません。本書と同じ光文社新書から出ている『4-2-3-1』と併せて読むことによって、よりサッカー観が立体的になると思います。そして実際にスタジアムに行って観戦することが何より楽しくなると思います。


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