概要&レビュー
サッカーには戦術、布陣があります。それはチームや国の伝統であったり、またその伝統を打ち破り、さらに高機能なものを追い求める革新であったりします。オフサイドのルール変更はありながらも、サッカーのフィールドやゴールの大きさなどには変化はないのですが、その中で行われるゲームの戦術は時代とともに変化と進化を繰り返しています。そしてその戦術の進化に応えるかのように、サッカープレイヤーの技術や戦術眼、運動量と言ったものにも変化は及んでいき、さらにそれがサッカーというスポーツの進化を相乗的に促がしています。
本書は、著者が信望している「4-2-3-1」という布陣をそのままタイトルにしたもので、言ってみれば「4-2-3-1」の礼賛本であります。サッカーに詳しい方の中には、本書はあまりに著者の情熱が傾きすぎていると言う批判もあるようですが、著者の目を通して戦術のおもしろさや戦術の変遷が十分伝わってくる本ですので、サッカーを勝敗だけで見ているレベルから、戦術や布陣というものに着目して、少しサッカー観戦力を上げたい方にとっては戦術・布陣の入門書としておすすめです。本書が予期していたのかは全く分かりませんが、現在(2011年)サッカー日本代表の監督を務めているアルベルト・ザッケローニ監督のことについても、ほんの少しですが出てくるところも何だかうれしくなります。