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『不運のすすめ』 米長邦雄 of 新書ブックセンター - 新書専門のレビューサイト -

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著者
米長邦雄
初版発行
2006年7月10日
ISBN
4-04-710054-4 C0295
定価
686円(本体)


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概要&レビュー

世の中に人生読本はいろいろありますが、その手の本のほとんどは、成功者と思しき方がもっともらしく、いかに“成功”するかを説いたものばかり。それはそうだろうと思います。みな成功したいと思い、成功を夢見て人生を歩んでいるのですから。
しかし本書はその逆。“不運”をすすめているのです。著者は、将棋という一対一の逃げ場のない勝負の世界で、稀代の勝負師として幾多の戦いを勝ち抜いてきた米長邦雄氏。米長氏の将棋人生は、運もあり、不運もあり、そういった中を駆け抜けながら、50歳にして名人位を手に入れ(当時の名人位奪取最年長記録)、熟年世代の希望の星となる。そういった米長氏だからこそ見出してきた逆説的な人生の成功術としての“不運のすすめ”。
「不運」と「幸運」は表裏一体の関係にあると説き、「幸運」も「不運」も実力のうちとも説く。そんな表裏一体の「幸運」「不運」というものに左右されることなく、最善手を常に選びながら、そして「不運」にあってもそれをバネにしながら生き抜く姿。本書は、落ち目のときの過ごし方や、運気の大底から抜け出るための心もち、私利私欲を捨てることなど、人生の局面で大切になる生き方の処方箋がたくさん説かれています。
若い世代にとっても、中年世代にとっても、人生をトータルで見たときの「幸運」「不運」の大局観が身につく1冊です。