概要&レビュー
街を歩くと「鍼灸」の看板が目に付きます。周りで「鍼灸」を受けている人の話も時々耳にしたりします。しかし自分は実際に「鍼灸」を受けたことがない、そんなことが多いのではないでしょうか。それほど鍼灸は身近にありながら、なかなか利用するのに壁を感じてしまうものです。
本書は、日本の鍼灸界がどのような状況にあるかを解説したものです。ジャーナリストでありながら鍼灸免許を持っている著者が、実際に鍼灸治療を受けて肌で感じたこと、その効果の感触、そして各先生とのお話しなどが掲載されています。
日本の鍼灸界には“流派”のようなものが存在し、その流派の違いが顕著であるようで、本書はその流派・流儀の違いを解説しており、鍼灸治療を受けるガイドにもなるのではないかと思います。各流派の特長も載せてあるので、現在鍼灸を勉強している方やすでにプロとして活躍している方にとっても、多くの示唆があるのではないでしょうか。
本書のまとめには、鍼灸が日本の中でどのような地位を占めていくと、国民の健康に寄与できるか、今後の鍼灸のあり方などの提言もあります。