概要&レビュー
仕事や日常生活の中では、何かと気の合わない人、何かと難癖をつけてくる人など、いわゆる“わからず屋”という人々に出くわすことが度々あります。しかし立場を変えると自分もわからず屋になっていることもあったりと、なかなか100%お互いに気持が通じ合って満足すると言うことは難しく、どちらがどう思うかというのは人間ゆえの悩みなのかもしれません。本書の冒頭では、わからず屋チェックシートがありますが、自分もそのうちのいくつかが当てはまっていると、自分もわからず屋の一人だったのかと苦笑いをするしかありません。
自分を含めて対人関係にはそれなりにわからず屋の面があるわけですが、それをそのまま放っておいてはストレスがたまるばかりです。そこで、わからず屋さんがどのような心境でいるのか、どのような背景があって分からず屋さんになってしまったのかということを理解しておくことが大切になると思います。相手を知ることは自分を知ることであり、自分を知ることは相手を知ることでもあり、そしてそれは分からず屋さんを理解する基本でもあります。
本書は、最新のコーチングの理論を基礎にしながら、わからず屋と思われる相手を理解していく姿勢を身につけるものです。そして相手を理解するだけではなく、相手に協力してもらったり、相手に仲間になってもらうまでになるためのものです。そしてそれは受け手の心を見つめ直す本ということにもなります。
内容は平易に書かれており、難しい理論はありません。すぐに読めて、すぐに実践できることもあります。人間関係で悩んでいる方、上司とあまりうまくいっていない方などにおすすめの一冊です。