概要&レビュー
土曜日の夜中にやっていた伝説の番組、「イカスバンド天国」、略して“イカ天”。そこから巣立ったバンドには、ジッタリンジン、フライング・キッズ、ビギン、たまなど数多くある。その番組の審査委員長を務めていたのが、本書の著者である萩原健太氏。彼は音楽評論家であり、自身もギターを弾く、ロックオヤジです。
そんな萩原健太氏が、拡散する現在だからこそ、もう一度原点に戻ってみたらどうだろうというのが本書の主旨。本書の中では、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンをはじめ、ロック史上に残る名だたるギターの名手とその演奏を、軽妙な語り口調で取り上げています。その語り方は軽すぎるところもありますが、ロックギタリストを取り上げるのに堅い文章も何なので、これくらい軽いノリの方がロックらしくていいのではないかと私は思います。
本書はロックの歴史を洗いなおしたい人、自分のロックの幅を広げたい人、ロックを聞きはじめてまだ間もないけど、よりもっと聴きたい人など、多くのロックファンにとって指南書になるものだと思います。