概要&レビュー
著者の酒井雄哉氏(さかい ゆうさい1926年(大正15年)9月 - ) は、比叡山延暦寺の千日回峰行を2度満行した行者、天台宗大阿闍梨、権大僧正です。長い比叡山の歴史の中でも、千日回峰行を2度満行したのは、酒井氏を含めて3人しかいないと言う。
そんな大業を果たした酒井氏のことだから、さぞかし特別な人なのではないだろうかと思うかもしれません。しかし酒井氏はとても柔和な方で、とても自然な方。本書は酒井氏の生い立ちから、比叡山に足を運ぶまでの道のり、そして千日回峰行の様子などを気張ることなく淡々と語ったもの。タイトル通り、とにかく今日一日生まれ変わったと思って、一日を一生と思いながら一歩、そしてまた一歩と毎日新鮮に歩いていくことをやさしく伝えてくれています。
日々の仕事に追われていると、自分が立っている位置が見えなくなることがあります。しかし、一日一生と思って今日を大切に生きると、なんでもないただの一日がとても大切に思えてきます。本書は語り口調で読みやすいので、時々読み直しながら日々の励みにもなると思います。