概要&レビュー
インターネットの普及により、世の中の様々な情報にアクセスすることが可能になってきました。それはとても便利であり、とても重宝するもので、今やインターネットは日常生活に欠かせない道具の一つになりました。しかしその一方で、大量の情報が溢れ出しているため、その情報が正しいかどうか、自分に有益であるかどうかを精査する必要があり、個々人の目を養うことが大切になってきました。
情報のファーストチョイスにインターネットを利用するのは当たり前としても、殊医療に関しては人の命に関わることですので、安易な情報に飛びつかないように気をつけなくてはいけません。そして現在病院ではパターナリズムからインフォームドコンセントへ移行していますので、かつてのように一方的に病院から治療方法を言い渡され、それをそのまま受けるだけでは済まされず、患者自身が自分で医療を選択する立場に立たされることになりますので、もしものときの情報収集手段を確保しておくことが大切です。
本書はインターネットに限らず、医療情報を集める方法をガイドしているものです。その情報が正しいかどうか、医学的に信頼が置けるものなのかどうか、自分で情報を集めるときに必要な視点を提供してくれます。研究者が読むような研究論文の収集まで含んでおり、かなり高度なところまでカバーできる内容になっていますので、もしものために1冊置いておきたいものです。その一方で、本書を読んでいてそこまでしなくても・・・と思うかもしれませんが、自分や家族、周囲の人の命に関わることでもありますから、正確な情報を収集していく方法論を知っておくことは、いざというときのために必要ではないでしょうか。
病気になったときの情報収集のためだけではなく、医療に携わる方にとっても必携の新書だと思います。