概要&レビュー
最近では不妊症が増えているといいます。その原因はいろいろあり、それらが複数に重なっていたりもします。子供のいる方には不妊症の苦しみは分かりにくいもので、不妊症に悩むカップルは様々な困難を前にしてもがき、そしてそのストレスが不妊に拍車をかけるという悪循環に入ってしまうことも少なくありません。
本書はそういった不妊症にかかる精神的なストレスを取り除きながら、懐妊までどのようなステップを踏んでいったら良いかを解説しています。自然妊娠(タイミング法など)、人工授精、高度生殖医療(体外受精など)などを分かりやすく解説し、どのタイミングでどの医療を選択したら良いかという著者の率直な意見と方針を伝えています。最終章の「実践・妊娠レッスン」は、一連のステップが具体的に示してありますので、本書のまとめとして理解しやすい内容になっています。
不妊症と言いますと、まだ社会的には女性に原因があると思われがちですが、男性の原因も同じくらいあります。男女双方に不妊症の原因があるという理解を社会にもってもらうだけでも、女性のストレスは軽減されると思います。そういった理解を深めるためにも本書は好著です。また、医療関係に従事する方にとっても理解の一助となることはいうまでもありません。