概要&レビュー
どんな薬にも副作用があります。主作用で十分な結果が出ていれば副作用はそれほど気にならないかもしれません。しかし、主作用が出ずに、副作用だけが出てしまい、病気よりも副作用のほうに悩まされると言う本末転倒なことも起きてしまうこともあります。最近では各種検査の普及によって、特に糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の初期症状から、毎日薬を飲んでいる方も少なく、副作用が出やすい状況にあるのではないでしょうか。
本書は副タイトルに“その薬が危ない”という言葉がありますが、決して薬を止めなさいというスタンスではなく、薬は危ないと言うことを煽るものでもなく、“ひょっとしたらその症状は薬の副作用かもしれませんよ。”というスタンスからの軽い警告と言ったものです。副作用のことを悪く言う本には極端な論評のものが多いように思いますが、本書はそういったものではありません。
内容は、一章ごとに良く利用される薬を取り上げて、最初に【再現ドラマ】としてお医者さんと患者さんとのやり取りを挙げ、【考察】をし、最後に【まとめ】をしておりますので、とても読みやすくまとまっています。薬のお話しだけではなく、その病気がどのように起きるかという身体に関する根本的な仕組みの解説も豊富なため、原理から理解しやすくなっています。一般の方だけではなく、医療に関わっている方にもお薦めの一冊です。