『ビジネス〈勝負脳〉　脳科学が教えるリーダーの法則』 of 新書ブックセンター　－　新書専門のレビューサイト　－

概要＆レビュー

著者は脳神経外科医で、1993年に日本大学救命救急センターの部長に就任し、脳低温療法などを開発して多くの患者を救ってきた方。2006年より日本大学大学院総合科学研究か教授を務め、これまでの経歴の中で培ってきた脳に関する知識や技術によって、能力開発などにも携わり、北京オリンピック前の合宿では、北島康介選手に勝負脳を伝授したといいます。
本書はまず脳の仕組みからはじまり、その仕組みを元にしながら、勝負脳というものを提唱し、さらにそこから勝負脳を身につけるためのリーダーの条件を述べています。端的に言えば、“脳が心地よく感じる状態”をいかに演出していくかということになるのですが、その内容が具体的であるのが本書の最大の売りではないでしょうか。“脳が心地よく感じる”状態とは、つまり脳が求めている欲求のことで、著者はそれを「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という三つに要約。この要約は、著者の感じたことではなく、脳が求めていると言うことなので、とても論理的であります。
リーダーとして人をまとめる立場にある方、組織やチームで仕事をしている方、また、それそのものをビジネスの対象にしたい方など、本書の応用範囲は広いのではないでしょうか。また、脳神経外科医、救急救命医として働いてきた臨床経験のお話しは、医学を志す方々にも活用できる内容が多いと思います。

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